原田環境相「放水」発言 反発、疑問の声相次ぐ

2019/09/11 10:07

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 原田義昭環境相が東京電力福島第一原発の処理水について海洋放出しかないと発言したことを巡り、県内の漁業関係者や識者から反発や疑問の声が上がった。


 県漁連は海域と魚種を絞った試験操業を行い、放射性物質濃度を検査した上で出荷しているが、根強い風評被害に苦しむ。野崎哲会長は原田環境相は福島県の現状を理解していないとして「とんでもない発言だ」と語気を強めた。さらに「県漁連は海洋放出に反対の姿勢だ。個人的な考えなのかもしれないが、国としてしっかり議論した上で発言をしてもらいたい」と苦言を呈した。

 県原子力安全対策課の担当者は処分方法を検討している政府小委員会に「福島の漁業者の声を踏まえ、風評などの社会的影響を含め議論を尽くして判断してほしい」と求めた。

 政府小委の委員も務める東京大大学院の関谷直也准教授(災害情報論)は「処理水をため続けることになった経緯に全く向き合っていない乱暴な発言だ」と憤る。「科学的に安全というだけでは処分方法は決められないので社会的、経済的影響を議論している。その最中になぜ閣僚からこんな言葉が出るのか」と批判した。

 処理水には多核種除去設備(ALPS)による浄化処理後も、除去しきれない放射性物質トリチウムが含まれている。昨年八月にはトリチウム以外の放射性物質も残留し、一部は排水の法令基準値を上回っていたことが判明した。

 残留問題の発覚直後に富岡町と郡山市、東京都で開かれたトリチウム水の処分方法を巡る公聴会では、意見表明者から海洋放出に対する反発が相次ぎ、小委での議論は長期化した。