宿泊取り消し相次ぐ 東京五輪1年延期の余波

2020/03/26 10:37

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 東京五輪・パラリンピックと聖火リレーの延期決定から一夜明けた二十五日、県内の宿泊施設にキャンセルが相次いだ。野球・ソフトボール競技の会場となる予定だった福島市内への影響が特に大きく、一気に千人余りのキャンセルが出た施設も。新型コロナウイルス感染拡大の影響に苦しむ宿泊施設関係者に追い打ちをかける打撃で、緊急経済対策の早期実施を求める声が上がっている。

 福島市・飯坂温泉の福住旅館には五輪延期決定後の二十五日朝以降、旅行会社から断りの電話が相次ぎ、野球・ソフトボールの競技期間中の七月に入っていた警備関係者ら延べ約二百五十人の宿泊予約が取り消された。担当者は「コロナウイルスの影響で苦しい中、五輪に期待していたのに…」と肩を落とす。

 同じ温泉街の他の宿泊施設では、警備関係者や観戦者ら約千人の宿泊予約があったが、二十四日から二十五日にかけて全て白紙状態になったという。

 政府、与党は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策で、宿泊関係の財政支援を含めた大規模な財政出動を検討しているが、支援が始まる時期は見通せていない。県内のある宿泊業関係者は「速やかな支援がなければ観光業は壊滅する」と窮状を訴えた。

 福島市内の十九施設が加盟する市旅館ホテル協同組合は、五輪延期の深刻な影響を重視し、各施設の状況を確認する作業に入った。渡辺豊理事長(70)=ザ・ホテル大亀社長=は「中止でなく、延期になったのがせめてもの救い。仕切り直して来年の本番に備えたい」と語った。

 聖火リレー延期の影響も県内に広がっている。聖火リレー二日目となる二十七日の最終地点に予定していた会津若松市の会津若松ワシントンホテルでは二十五日までに、リレーの運営に関わる五輪スポンサー関係者らから五十五室分の予約が取り消された。斎藤秀雄常務・総支配人(64)は「リレーを沿道で見ようとしていた個人客からも今後、キャンセルが入る可能性がある」と頭を抱えた。