【新型コロナ まじうまふくしま】首都圏で古里の味応援(6月29日)

2020/06/29 08:12

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 東京二十三区内で福島県の食と酒を味わえる店舗を紹介する冊子「まじうまふくしま!東京の店」が発行されて五年目を迎えた。毎年改訂し掲載店は当初の二倍以上に増えた。新型コロナウイルスの感染拡大による営業自粛で多くの飲食店が苦しんだ。解除後もお客の戻りは遅く、対策を講じながら苦悩の日々が続く。首都圏で福島の味と店をPRするツールとして、大いに活用してもらいたい。

 秋田のきりたんぽや宮城の牛タン、山形の米沢牛…。東京のネオン街で郷土料理を扱う店は多いが、他県に比べて福島県の料理を前面に出す店は少ない。それでも、会津の馬刺しやこづゆ、ニシンの山椒[さんしょう]漬け、福島のいかにんじん、川俣シャモやいわきのメヒカリ、喜多方ラーメン、各地の日本そばなど、福島県には他県に負けないおいしい味がたくさんある。何より、県民が誇る日本酒がある。

 「まじうまふくしま!東京の店」は、こうした福島県自慢の味を扱う首都圏の飲食店を応援しようと県が二〇一六(平成二十八)年三月に初めて発行した。福島の食のPRと東京電力福島第一原発事故による風評払拭[ふっしょく]につなげる狙いだった。行政機関が民間の特定の店を無料で宣伝する「できそうで、できなかった企画」として話題を呼んだ。

 冊子はポケットサイズで三十九ページ。店ごとに自慢の料理や店内のカラー写真を載せ、営業時間、平均予算、地図などを紹介している。発行当初は四十軒だった店舗数は年々増え、今年は二十軒の新規を含めて八十五軒となり、五千部を発行した。

 店の特徴も紹介している。郡山の実家から届く野菜と福島牛が人気のイタリア料理店、くじら汁や馬刺しなどの会津料理が評判で会津高OBが経営する小料理屋、東日本大震災の復興支援がきっかけで福島の酒をそろえるようになった居酒屋、毎月一回、福島を愛する人たちの飲み会を続ける伊達市出身者の経営店、会津美里町出身の夫婦が営むソースカツ丼が人気のレストラン…。どの店もふるさとへの思いが「隠し味」として料理を引き立てている。

 県は冊子の内容をホームページでも紹介しており、三月からは多言語化も実現した。新型コロナ禍の中、必死で店を守ってきた関係者。ウイルスの感染が収まり、人々が首都圏に戻るとき、福島の味を求めるお客が訪問するよう、県人会や県出身者の企業・団体への冊子配布やネットPRなど、官民力を合わせて支援していく動きを拡充していきたい。(真田 裕久)