待っててね エール再開 中断乗り越え収録進む

2020/07/06 09:55

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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う中断を経て再開したNHK連続テレビ小説「エール」の収録が進んでいる。撮影現場の感染対策を徹底しながら、中断前と変わらぬ質を求めるドラマ作りに力を注ぐ。本編放送が再開されれば、激動の時代を描く物語後半に入る。制作陣は、福島市出身の作曲家古関裕而さんがモデルである、笑いと感動あふれる物語を少しでも早くお茶の間に届けようと、奮闘している。

 二カ月半の中断後の六月中旬以降、収録が再開されている東京・渋谷のNHK放送センターのスタジオには緊張感が漂う。出演者、スタッフが入る際は検温が行われ、関係者以外の立ち入りは厳しく制限されている。

 撮影は独自の感染防止マニュアルを基に進められている。各シーンで出演者同士の間隔は二メートル以上離し、接近する芝居が必要な場合には出演者側の同意を得る。出演者がマスクやフェースシールドを外すのは本番の撮影時だけ。出演者に小道具を渡す前にその都度、手指を消毒する。セットは換気可能な設計とし、セッティングは密集を避けるため、小道具や技術など担当者ごとに時間帯を分ける。

 歌うシーンでは従来、出演者が生で歌声を収録していたが、飛沫(ひまつ)防止のため、大勢で歌うシーンでは別々に歌を録音し、後から映像に重ねる手法などを検討している。出演者が本番でマスクを外すたびにメークを直す必要があるなど、対策を徹底する分、通常より撮影に時間がかかっている。

 「エール」本編の放送再開時期は未定。当初、放送は九月末で終了予定だった。次期朝ドラ「おちょやん」の収録も再開しており、NHKはさまざまな状況を考慮して「エール」の放送期間を決めるとしている。

 一方、出演者やスタッフの作品作りへの熱意は中断前と全く変わらない。長い中断期間を経ても、主人公古山裕一を演じる窪田正孝さんや、古関さんの妻金子(きんこ)さんがモデルの音を演じる二階堂ふみさんらは再開してすぐに役に入り込んだ。感染防止に向けた現場の緊張をよそに、従来通りの軽やかな演技を見せてくれているという。

 全ての出演者、スタッフ一丸となって困難を乗り越え、テレビの前で再び笑顔になってもらえるよう収録を続けている。制作統括の土屋勝裕チーフ・プロデューサー(50)は「福島県内の視聴率は30%台と高く、出演者、スタッフは毎朝見てくれている福島の皆さんにとても感謝している。できるだけ早く本編放送が再開できるよう、力を尽くす」と誓う。

 ■今月は再放送 出演者が副音声解説

 「エール」は現在、本編の放送を一時休止し、月曜日から土曜日まで再放送をしている。七月中は続き、八月以降の対応は未定となっている。再放送では出演者がドラマの役柄で副音声による解説をしている。