飲食店の爆発184棟被害 前日夜以降、ガス充満か 郡山

2020/08/01 07:58

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プロパンガスボンベがあったとみられる店舗の東側を調べる警察や消防関係者ら=31日午後5時5分ごろ、郡山市島二丁目
プロパンガスボンベがあったとみられる店舗の東側を調べる警察や消防関係者ら=31日午後5時5分ごろ、郡山市島二丁目

 死者一人、重軽傷者十九人を出した郡山市島二丁目の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」の爆発事故で、爆風などの被害を受けた周辺の建物は三十一日現在、百八十四棟に上ることが郡山地方広域消防本部の調査で分かった。郡山署と同本部は同日から店舗跡の現場検証を開始。同署は同店のガスが事故前日の二十九日夜以降に何らかの理由で充満して引火、爆発したとの見方を強め、業務上過失致死傷の疑いで捜査を本格化させた。被害が甚大なため、事故原因の究明には長期化も予想される。

 同本部は爆発が起きた店舗の近隣を中心に一帯の被害状況を調査した。爆発により鉄骨造り平屋の店舗約百六十四平方メートルが全焼したほか、事業所や住宅、学校、病院など幅広い建物で「窓ガラスが割れる」「壁が壊れる」など爆風や振動による被害を確認した。東西方向への被害の広がりが目立ち、東に約五百メートル離れた建物でも損害が出ていたという。

 郡山署は三十一日、郡山新さくら通り店の改装工事を受注した小西造型(仙台市)の現場責任者で、店内で死亡していた会社員古川寛さん(50)=仙台市太白区=の遺体を福島医大法医学講座で司法解剖し、死因を肺挫傷だったと発表した。遺体の上には、がれきが乗っていたという。

 現場検証は同署と同本部が総務省消防庁と合同で実施。約七十人態勢で爆発の原因に結び付く手掛かりなどを探した。一日以降も検証を続ける。

 同本部は二〇一八(平成三十)年十二月に行った同店への定期立ち入り検査の際、消防法令で義務づけられている防火管理者を選任しておらず、火災時の避難手順などを定める消防計画も策定していなかったと明らかにした。

 「しゃぶしゃぶ温野菜」をチェーン展開しているレインズインターナショナルなどによると、郡山新さくら通り店では事故前日の二十九日、ガスこんろをIH調理器に交換するため厨房(ちゅうぼう)にコンセントを増設する工事が行われていた。機械警備の記録などから古川さんや下請け業者数人は午後八時ごろ、退店したことが分かっている。県警によると、退店以降に店への第三者の出入りは確認されていない。

 古川さんは三十日に一人で店を訪れ、爆発の発生時刻とほぼ同じ午前九時前に警備システムを解除していた。