【健都ふくしま】健康寿命を延ばしたい(10月29日)

2020/10/29 10:44

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 福島市で健康なまちづくりを推進する「健都ふくしま創造市民会議」が昨年八月に活動を始めて一年が過ぎた。地域住民や有識者、企業、団体などの代表がそれぞれの立場から知恵を出し合い、健康寿命を延ばす取り組みの中心的な組織で、地道な活動が少しずつ成果を挙げている。市民一人一人が健康への関心を高めるためには、さらなる活動の広がりや機運の醸成が望まれる。

 市民会議が掲げる健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」だ。市によると心筋梗塞と脳卒中の福島市内の死亡率は、全国平均と比べてやや高い傾向にある。市内を十八の地区に分け、食生活の改善や生活習慣病の予防策を推進する拠点づくりを進めている。住民と各支所の担当者、市保健師らが連携し、これまでに四地区で新たな組織が誕生した。他の地域でも設立に向けた動きがある。都市部や農村部など地域の実態に沿った実現性の高い、きめ細かな指導につなげてほしい。

 喫煙率の低下にも力を入れている。市の調査では二〇一六(平成二十八)年度の喫煙者(二十歳以上)は男性27・3%、女性7・8%だった。二〇二二(令和四)年度までに男性を20%以下、女性を5%以下にする目標を掲げている。市受動喫煙防止対策推進委員会などの意見を踏まえて、市受動喫煙防止条例が七月に施行された。

 人通りが多い福島駅周辺の東西駅前広場や駅前地下歩道などの路上を禁煙重点区域とし、今月からは指定された喫煙所以外で、たばこを吸えなくなった。エリアは限定されるが、愛煙家の意識改革に向けた大きな一歩になったといえる。

 今後は重点区域内での指導を強化し、来年三月からは違反者に二千円の科料が科される。市健康推進課の担当者は「たばこの煙は、吸う人だけでなく吸わない人の健康にも影響を与える。周囲の人にも気を配るきっかけにしてほしい」と呼び掛ける。たばこの吸い殻のポイ捨てが減り、環境美化に対する意識の向上も期待される。

 新型コロナウイルス対策としては、感染拡大を防ぐために各事業所が工夫する三密対策や健康管理法など「新たな職場様式」の実践例を広く募っている。独自の取り組みや効果などを市のホームページで紹介し、コロナ禍に対応する情報を共有する。

 健康寿命を延ばすための道のりは長い。全ての世代が率先して参加する、息の長い活動が大切だ。(小林 和仁)