処理水処分、方針決定急がぬ可能性 経産相「ある時期には決断」

2021/02/05 09:41

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 梶山弘志経済産業相は四日の衆院予算委員会で、東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方針を巡り、「ある時期には責任を持って決断しなければならない」と述べた。これまで多用してきた「タンクが増加し敷地が逼迫(ひっぱく)する中、いつまでも方針を決めずに先送りすることはできない」との文言を使わず、表現が後退。方針決定を急がない可能性をにおわせた。

 処理水の処分を巡って政府は昨年十月、海洋放出の方向で県内自治体などに事前説明したが、風評被害の再燃を懸念する漁業者をはじめとする県内からの反発を受け、決定を先送りした。

 立憲民主党の玄葉光一郎衆院議員(福島県3区)は「国民的議論がなされず多くの人が納得していない」と拙速な決定をけん制し、処理水からトリチウムを分離する技術の開発、県外での海洋放出を再検討するよう求めた。

 梶山氏は「漁業関係者に現状を話し理解を得ていく作業も必要だ。そうした情報発信も含めてしっかりとやらなければならない。その経過を踏まえた上で、ある時期には責任を持って決断しなければならない」と述べた。ただ、トリチウム分離や県外処分には否定的見解を示した。

 菅義偉首相は玄葉氏の質問に答弁しなかったが、昨年九月の福島第一原発視察時に「できるだけ早く処分方針を決めたい」と意欲を示し、一月二十日の衆院本会議では「先送りせず、適切な時期に決める」と重ねて強調していた。

 東電は処理水を保管するタンクが満杯になる時期について、当初は「二〇二二(令和四)年夏ごろ」としてきたが、汚染水発生量の低減を受け、一月末に「二〇二二年秋以降」と先延ばしした。