【検証・県当初予算】(2)「避難地域等復興加速化人・きずなづくり」 12市町村へ移住促進

2021/02/05 11:35

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 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故は三月で発生から丸十年となり、四月には第二期復興・創生期間が始まる。本県の復興を加速させるため、避難した住民が安心して帰還できる環境整備に加え、原発事故に伴う避難区域が設定された十二市町村への移住を促進する取り組みを主要施策に掲げた。

 県によると、避難指示が解除された地域に住民登録がある人のうち、実際に居住しているのは約三割。避難先に定住する人も多く、復興の担い手確保が喫緊の課題だ。一方で、県内への移住者は増加傾向が続いており、二〇一九年度は五百九世帯となった。このうち浜通りは百四十八世帯で、前年度からの増加率は中通りや会津地方より高かった。

 まちづくりの活力となる人の呼び込みを強化するため、二〇二一(令和三)年度一般会計当初予算案で重点プロジェクトの一つ「人・きずなづくり」に計上した五十億円のうち、約三割の十八億八千百二十五万円を移住促進事業に充てる。移住・定住のさらなる促進に向けては、実効性のある事業の展開が必要となる。

 復興のシンボルであるJヴィレッジ(楢葉・広野町)には双葉郡の観光案内窓口を設置する。新たな地域づくりが進む周辺の魅力を幅広く発信する。一億七千四百三十六万円を投じる。

 帰還に向けた環境整備も引き続き重要だ。避難区域が設定された十二市町村で営農再開を促すため、市町村の枠を超えて広域的に生産・加工に取り組む施設を整備する農業法人や民間企業を財政支援する。事業費六十八億五百万円を付けた。

 廃炉関連産業への地元企業の参入により、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を推進する。県によると、企業参入を担うマッチングサポート事務局には百社以上の県内企業から問い合わせが来ている。外部専門家を各企業に派遣するなどし、円滑な参入を目指す。事業費四千九百七十九万円を盛り込んだ。